先ほど、妹が妊娠しているという事実を告げられた。
さも当たり前のことのように、さっと。
ついさっきまで、バナナは青いくらいが美味しい、みたいな話をしていたのに。
なんだか、一気に現実を見なければいけない、という気分になった。
誰かに話したいが、無闇矢鱈にする話ではないし、そもそも俺自体がそんなにめでたい話だとは思っていない。
詳細はあまり書く気にならんが、まぁなんかかんやあっての出来事だ。何事もない人生なんて、無い。
俺がこれまで、好き勝手(やれてる気は全くしないが)やってこれたのは、実際のところ妹のお陰だった。
感謝もしているし、兄として妹の事は好きである。
だからこそ、もっと__いやもうちょっとくらいでいいから幸福指数の高い人生を送ってもらいたいものだ。
これからの人生、多少兄としてフォローしていきたいところではあるが、まぁ如何せん駄目兄なので出来る範囲の努力は試みよう。
俺と違って、よく笑う妹だ。
本当に楽しいのか本当に幸福なのか、いつも俺はちょっとだけ冷めた目線で妹の事を見ていたような気がする。
父親似で多少ガサツな所はあれど、天真爛漫と言っていい彼女の性格を少しだけ羨んでいたのかもしれなかった。
それでも適度に仲の良い、それなりにいい兄妹だと自負している。
まぁ、なんだその、
妹とその子供に幸あらんこと。