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陽だまりの彼女レビュー ネタバレあり

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陽だまりの彼女レビュー ネタバレあり

陽だまりの彼女(映画)感想。


全体的な雰囲気は綺麗でお洒落な印象。キャラクターの描写など、いい意味で親しみ安かった小説版と少しギャップが。
しかし、やはりというか映画ならではの演出、構成などの工夫が随所にみられる。
一番印象に残った、自分の琴線(と涙腺)に触れたのがビーチボーイズの素敵じゃないかが流れた物語後半のシーン。
スクリーンが暗転し、音楽とともに画面中央に白字で英詞と越谷オサムが訳したものがゆっくりと映される、といったシンプルな演出なのだが、それを黙読するうちに自然と両目から涙が。
映画館の、音響と他の雑音が耳に入らない環境の素晴らしさというものを改めて実感させられた。これはレンタルでは体感出来ない感動だと思う。



キャラクターのはなし。
松本潤演じる浩介という役柄は、いわゆる非モテ男子で内向的というものではあるが、そんな一言で表せるほど男心は単純ではない(?)、小説版ではその細かい心理描写が素晴らしかったが、映画の尺の問題が充分に描写しきれなかったように見えた。マオや他のキャラクターも同様。
しかしながら映画オリジナルキャラクターである浩介の弟や夏木マリ、マオの先輩役の玉山鉄二など、脇を固める俳優の演技が本当に素晴らしかった。
玉山鉄二だいすき。ああいう大人になりたい。

閑話休題。
個人的にツッコミどころ、というか笑どころも数点あったが(キスシーンの時の松本潤がめちゃくちゃおちょぼ口で吹きそうになったり、松本潤の演技が全体的にむっつりいやらしい感じだったり())、そんなことを忘れさせるほど、上野樹里の演技が素晴らしかった。
演技の幅というか、元々突き抜ける程明るい演技をする女優さんだと認識していたが、全編通じて色々な顔を見せてくれた。
そして、それがことごとくマオの魅力を増す働きをしていたように感じる。
顔の好みはそれぞれあれど、他にあれほどまでにマオを演じれることのできそうな女優は他に浮かばない。
小説版を読んでいた時の自分のイメージとはかけ離れてはいたが(もうちょっと猫っぽくすらっとした女性を想像していた、あ、ネタバレ)、中学時代のマオ役の子も込みで、マオに関しては最高の出来だと思う。

大倉孝二や小籔千豊の演技が物語を綺麗過ぎない感じにしていた点など、よかった点を羅列すると本当に切りが無いので総評。
多少冗長なところはあるが、それは原作もそうなのでむしろうまく二時間弱にまとめたと思う。
物語の構成に少し疑問が残るところもあるが、映画オリジナルのラストシーン、そこへの繋ぎ方は良かった。
冗長で語り過ぎ詰め込み過ぎと言えなくもないが、他人のレビューの言葉を借りると「いい余白があった」。いい言葉だと思った。
新鮮な気持ちで、小説版の読後感に近しい感動があった。
ほら、やっぱり邦画も捨てたもんじゃない、って思わせてくれるひとときでした。


蛇足だけど、お前ブライアン食っただろ、の使い方だけ惜しかった。あのシーンホント好きだったのに。
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